トンデモな医療界

日本の医療の世界は、世間から見たらトンデモなことが 色々とまかり通っています

2015年の振り返り

バタバタしていて遅れていましたが、ようやく昨年の仕事成績の振り返りをしました。 集計作業をしていていつも思うのですが、データ化して初めて見えてくるものがあり、ほんとに面白いなと思います。データオタクの本領発揮ですね。 総数の推移は、例年通り…

時代は変わった  論文採択率を上げる方法

学会が出版している学会誌というものがあります。 一般的に論文の寄せ集めであることが多いのですが、今年から大きく変化したものがあったので紹介します。 中でも「会員のための企画」というコーナーが新しくできて、今回は論文の書き方を本音で書いていま…

外科存亡の危機

最近の研修医が外科を志望しないことが大きな問題になりつつあります。 このことを部下の若手医師に意見を聞きました。 若手医師いわく、 そもそも外科は新参者に対して冷たい。外科志望者ならやさしくなるが、そうでない学生、研修医は邪険に扱われるし、手…

C型肝炎の特効薬がアメリカ保険制度を揺るがしている

アメリカの製薬会社ギリアド・サイエンスはC型肝炎の特効薬ハーボニを発売している。費用は12週間の標準治療で約10万ドル(1200万円)かかる。 アメリカの貧困層はメディケア、メディケイドという公的保険を使えるが、ハーボニは適用外となっている。 ハーボ…

新しいことはワクワクするものです。

病院内に新規プロジェクトが立ち上がることとなった。 今年度から院長が代わり、赤字解消のため次々に新しい施策が打ち出され、順調に行っている。今回の新規プロジェクトもその一環である。 ある医師が院長に直訴してできたものである。熱心であることはい…

地方病院の生きる道

日本の人口はどんどん減ってきており、地方病院は生き残りをかけて必死に対策を練っています。 私の個人的な意見としては、病院の統合が最も良い解決法だと思っています。それを断ったうえで今回の話をさせていただきます。 地方病院の競争相手は、近隣の地…

遠隔医療の輝かしい未来

昨日、予防医療の方策の一つとして健診を取り上げました。今日はもう一つ、遠隔医療について取り上げたいと思います。 遠隔医療とは、医師と患者が距離を隔てたところでインターネットなどを通じて診療を行うことです。2015年に厚生労働省からの通達で、遠隔…

健康診断を受けさせるにはどうしたらいいのだろう

医療における費用、労働力が不足していると言われ続けていますが、この医療システムを根本から変える方法の一つが予防医療です。 病気になってから考えるのではなく、病気にならないように予防する医療です。費用、労働力を大幅に節約出来る可能性があります…

治療はすればいいっていうものではない。

最近あった2症例が興味深いものでしたので紹介します。 1例目緊急症例とのことで紹介を受けました。主治医判断で一般病棟入院となり、週明けに検査予定としていました。入院後まもなく急変し、その後、手を尽くしましたが失ってしまいました。治療が後手後手…

化血研問題は大甘処分ではないか。

今、世間を騒がせている化血研問題です。 化血研の不正製造、刑事告発検討 厚労省「極めて悪質」http://www.asahi.com/articles/ASHDB76J1HDBULBJ02W.html 重大な過失があったことは間違いなさそうです。一般企業ならおそらく倒産してしまうでしょう。しかし…

「ここまで頑張ったのだから」 というサンクコストの呪縛

今日はとある重症患者さんについてご家族に病状説明をしました。 --------- リスクの非常に高い高齢患者さんですが緊急大手術の後、いくつかの合併症が発生し、生死をさまよいました。懸命の治療が効を奏し合併症の治療が出来る段階まで状態は回復しつつある…

完璧な善意が医療事故を引き起こすこともある

先日のヒヤリハット報告に考えさせられるものがありました。 詳細は書けませんが、超緊急時に善意から手伝いに入った他部署の人が、正式な手順を踏まずに起こしたことでした。正式な手順があることは十分承知していたのですが、緊急ということもあり手順が踏…

5年後、日本でガンになると大変なことになる

ちきりんさんと藤野さんの対談を読みました。 http://toyokeizai.net/articles/-/94356 すごく刺激的でいいですね。 さてこの中で言われている「5年後、日本でガンになると大変なことになる。」ですが、これは現実問題です。 若い人たちは生活の質を重視しま…

ジェネリック問題について

まず最初に断っておきますが、私はジェネリック賛成派でも反対派でもありません。 それでもこの問題を取り上げる理由は、「ある視点」が欠落していると思っているからです。 それは「選ぶのは患者さん」という単純な事実です。 ジェネリックとは、後発薬品で…

男気黒田投手の心境について考えてみました

広島カープの黒田投手の去就が注目されています。一方で前田投手のポスティング問題もあり、広島カープは一度に二選手を失う危機に直面しています。黒田投手はまだ決断していませんが、おそらく前田投手の決定を待ち、抜けた場合のことを考えているのでしょ…

医療における集中と選択

先日、友人の結婚式に招待され、とある結婚式会場に行ってきました。 建物は高台にありモダンな作り。門構えやチャペル、テラスなどは素晴らしいデザインで驚きました。テラスからの夜景は抜群でこれだけでも価値があると思えました。そしてスタッフは若く生…

見てもらってばかりなので、たまに見るのも悪くありません。

久しぶりに査読依頼が来ました。 メール受信箱に査読依頼メールが入っていました。やります。と早速、返事を出し、論文の読み込みにかかりました。 普通、提出された論文は、編集長が数人の査読者(編集者が選ぶ、ボランティア、謝礼などはない)に査読を依…

予備校を経営するならどの試験が一番儲かるのかな?

最近、研修医たちと話をしていて医師国家試験対策予備校がすごいということを聞きました。IT化も加わりこの数年で急速に発展しているようです。 予備校に所属している名物講師が人気を誇っているようです。人にものを教えるのは一種の才能なので、これがとこ…

今回の発表は侍ジャパン並でした。

学会発表をしてきました。直前の連絡でいつもより余分に発表時間をいただけることになりました。目一杯詰め込んだ発表でしたので、ちょうど良かったのですが、なぜかかえって緊張してしまい、言いたいことがうまく伝えられませんでした。何度も発表している…

学会シーズンたけなわ。留守番部隊の皆様、お疲れ様です。

学会シーズンたけなわです。 私にも発表がいくつかあります。 昔から学会発表が好きでした。最もよくあるパターンが上司に発表しろと言われて、いやいやながら発表するというものですが、私は積極的に自ら手を上げて学会発表していました。 どうして私は発表…

検査で「ホルマリン」誤投与って、どこでも起こりうることだと思います。

検査で「ホルマリン」誤投与http://news.yahoo.co.jp/pickup/6181219 つい最近、当院でもホルマリンの管理が厳格になったところでした。 おそらく近々予定されている病院機能評価や監査などのためだと思います。われわれとしては日常診療上、必要なものなの…

訴えられたくなかったら医療費を湯水のように使え

すごい論文が出てきました。 Physician spending and subsequent risk of malpractice claims: observational studyhttp://www.bmj.com/content/bmj/351/bmj.h5516.full.pdf ご紹介してくださいましたtyabu7973様、ありがとうございます。http://tyabu7973.h…

ミドリムシって何ですか?食べられるの?

美座椅子、腸内洗浄、ミドリムシ……. NP読者は医師より健康オタクシリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」http://www.m3.com/news/iryoishin/373299 このシリーズすごく面白くて注目していました。今日のお題は健康法。 一般人のほ…

医師は神様ではありませんが、無意識にそれに近いこともしているかも

死亡症例の検討をしていて感じたことがあります。 死亡症例の経過は、ある時期に見込みのあるなしの予想ができてしまうので、その時点で撤収というのが最も医学的な合理的判断になります。 しかしこれでは担当医、家族は死を受け入れられない、納得できない…

患者が悪いのではない。病気が悪いのだ。という開き直り

本日はわが部署の新規購入機器の初使用日でした。該当会社の担当者も立ち会いのもと始まりましたが、タイミングが悪いことに同時に緊急症例が来てしまいました。 手術室、担当医師、担当看護師、集中治療室、検査室など多方面にご迷惑をかけつつ、何とかスケ…

評価されない職業?医師?

院内で医師を評価するかどうかという議論が出てきました。 公務員ですら評価され場合によっては解雇される時代なのに、評価されない職業があること自体問題あるような気がします。 私は医師評価制度に賛成です。正当に評価されることが進化に繋がると信じて…

本業ができないくらいの仕事

昨日、インフルワクチンを注射後、調子が悪くなっているところへ、年末が近いせいか怒涛のように書類仕事がやってきました。 まず各種報告書。会議資料。治験資料。NCD登録。各種アンケート回答。他、様々なものがあります。中にはほんとにこれいるの?みた…

どうして高速逆走認知症患者さんの免許を取り上げないのか?

高速道路を逆走してしまう認知症患者さんのニュースがよく聞かれるようになりました。 どうして医者はドクターストップしないのかと聞かれるのですが、実は非常に難しいのです。 まず病気の特徴として、初期の認知症患者さんはほとんど症状がないことが多い…

病院の縄張り争い

医療圏というものがあります。要するに病院の縄張りです。 隣の医療圏の大病院から、こちらの医療圏での共催勉強会を提案がありました。 勉強会の目的は集客なのですが、実現すれば患者さんはもちろんのこと、両病院ともにメリットがあるような気がします。…

10月にスタートした新「医療事故調査制度」の余波

昨日、新「医療事故調査制度」について書いたのですが、職場でこの話をしてみました。そこで気がついたのは、現場にかなりストレスがかかっているようです。 誰も声高に言ってないですが、この制度がややこしい、不明瞭なので、もしかしたら大事になるかもし…

10月にスタートした新「医療事故調査制度」について

知らない方も多いと思いますが、この10月から新「医療事故調査制度」が開始されています。 この制度の対象となる医療事故は、「予期せぬ死亡や死産」とされています。 これが非常に難しいところだと思います。全ての医療行為に事故の可能性があるのだから、…

人からどう思われているかが気になる

「賭けの考え方」という本を読みはじめました。ある人が薦めてくれました。ポーカーの話なのですが、医療にも役立つことがたくさん書いてあります。例えば、自尊心を持ち込まない。というのがあります。人からどう思われるかを気にして合理的な判断ができな…

院内ポスト争い

ある程度の年齢に達すると先が見えてきます。これは「限界である」ということではなく、「将来の道筋が見えてきます。」ということです。 病院のポストが限られているため、ある程度、年功序列で上から順番に埋まっていきます。そして人によっては指折り数え…

医療界の意味のない不合理性

今朝テレビを見ていたら、医療系のコメンテイターが言ってたことに対して何か違和感を感じました。横浜マンション杭打ち問題に絡んで、一線を越えてはいけないことの例えで、「手術前の手洗いという作業があるのです。初めてやる時、一生懸命10分ほどかけて…

TPPで盲腸手術は700万円になるの?

最近、知り合いから「TPPで盲腸手術は700万円になるの?」と聞かれました。TVで放送されていたそうです。 それはありえない。と私は思います。 以前書いたことがありますが、日本の医療界は医療者の努力によってかなり低コストで、かなり質の良いサービスを…

医療者の良心は信じられるのか?

ちきりんさんの個別プライシングのブログを読んで思ったことです。 お、ねだん以上、ニトリhttp://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20151028 確かに携帯電話のプライシングは腹立たしいし、消費者に対して不誠実だと思います。 私も個別プライシングが大好きです。…

医療界のコスト意識は低すぎる

以前にも二度ほど書いた事なのですが、研究会の一つがなくなりそうです。 製薬会社の利益供与問題http://yoshimor.hatenablog.com/entry/2015/01/18/100840研究会存亡の危機http://yoshimor.hatenablog.com/entry/2015/09/13/104356 当の研究会は30年以上続…

医療事故番組に対する違和感

下記記事を読んで、私も放送を見ました。 http://blogos.com/article/140803/NHK クローズアップ現代:なぜ医療事故は繰り返されるのか ~再発防止への模索~ 少し違う 医療事故は頑張れば防ぎきれるという幻想があるように思います。人間のやることですから…

外科医減少問題って少子化問題と同じことじゃないの?

先日の学会で外科医減少問題が大きく取り上げられていました。 確かにすごい勢いで減少しているようです。 外科医減少の現実http://www.huffingtonpost.jp/yasuhiro-mizuno/-1213040_b_3425551.html これに対して、医学生勧誘イベントが行われたり、研修医を…

ちきりんさんのブログを読んであらためて思ったこと。

ちきりんさんのブログを読んであらためて思ったこと。 d.hatena.ne.jp 終末期医療は本当に本当に難しいです。 医療の発展はすごいので、本気でやれば(金銭、労力を考慮しなければ)いつまでも生かし続けることができることがほとんどです。 一般的にほとん…

緊急手術の翌日は休めと言われても、代わりに診てくれる人はいません

M3で面白い記事を見ました。 時間外手術の「高額加算」、算定は1割強https://www.m3.com/news/iryoishin/367022 手術と処置の「休日・時間外・深夜加算」が2014年度診療報酬改定で倍増しても、この「高額加算」をしているのは、12%にとどまり、外科医の勤務…

群馬大手術や神戸肝移植問題に対する有効な対策になるかもしれません

先日、この問題は延々続くだろうという意見を書いたのですが、もしかしたら状況は一変するかもしれません。先日、かなり有効な対策がされていると聞きました。 日本の外科手術はNCDという登録制度にほぼ全例登録する必要があります。つまり調べようと思えば…

ブラック企業に努めているのにモンスター客に絡まれる。。。

医療従事者向け情報サイト「m3.com」に下記の記事が掲載された。すごく見やすくて理解しやすい。会員でないと閲覧できないので、以下に要点をまとめる。 日本の医療の問題点、待ち時間か患者の理解不足かhttp://www.m3.com/news/iryoishin/366364?dcf_doctor…

土日祭日返上で頑張った結果

ちょっとしたことで患者さんとの行き違いになってしまうことが多々あります。 忙しい現場なので仕方のないことなのですが、双方が不満足に思う結果になり非常に残念です。 こちらとしては別方向への治療提案のつもりだったのですが、患者さん側としては医療…

群馬大手術や神戸肝移植問題についてやるせない思い

最近の群馬大手術や神戸の肝移植のことを考えると、気が重くなります。 そもそもなぜ危険な手術をするのかということなのですが、メリットがデメリットを上回っているからに他なりません。 ここで言うメリット、デメリットは患者さんだけでなく、担当する医…

長年目指していたものを、ついに見つけた気分だ。

先日、この記事を読んで思ったことがあります。 「100万人に1人の希少性のある人材」になるためhttp://logmi.jp/94488 社会に必要となる人材になることを無意識に目指していました。それが自分の幸せに繋がるのだと思っています。 この記事では異なる分野で1…

患者さんの話を遮る。禁じ手。

先日の病状説明をしていたときのことです。 非常に複雑な病状であったため説明するのに非常に苦労していました。図と書面で丁寧に説明していたのです。 説明を聞いている方々からその途中で様々な質問が何度も出てきました。関連あるものなら、それはXXなの…

長期入院患者の厄介払い

急性期病院の役割とは、急性期の患者さんを可能な限り良好にして、場合によっては慢性期病院へ転院していただくことです。しかしながら所々の事情により転院に同意して頂けなくて急性期病院に長期入院となってしまうこともあります。 病院側としては入院期間…

生活保護の人(31歳女性)が病院から無料で処方してもらった薬を横流し。

薬の問題は根が深いです。 向精神薬の無許可販売の疑いで女を逮捕http://www.mbs.jp/news/kansai/20150930/00000031.shtml 医療者の中には正義感が強い人が多いので、こんなこと許されない!と思っている人は多いはずです。 でも現実には、転売している人は…

新医療事故調査制度について

新医療事故調査制度について注目されている。見込み症例数は年間300なので、ほとんどの病院は関係ないと思うが、うちの上層部はそうではないらしい。先手を打つというのである。 調査は依頼されてから始まるので、依頼しないような工夫?が必要とのこと。不…